えび・かにアレルギーと外食 — 甲殻類の注意点

公開日: 2026-07-23 ・ 最終更新日: 2026-09-24

品目別ガイド(義務9品目)

えびとかには、まとめて「甲殻類」と呼ばれますが、表示制度の上では別々の品目として扱われます。しかも、大人になってから初めて症状が出たり誤って食べてしまったりすることが比較的多い食品です。何をどこまで避けるべきかは症状の重さによって一人ひとり異なります。食べてよい範囲は必ず主治医と相談して決めてください。

えびとかにはそれぞれ別の義務品目

容器包装された加工食品では、えびとかにはどちらも食品表示法上の義務表示品目です。消費者庁のハンドブックによれば、表示を義務付けられている特定原材料は「えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生」の9品目で、えびとかにはそれぞれ独立した1品目として並んでいます。

大切なのは、「えびだけ」「かにだけ」に反応する人もいるということです。両者はまとめて「甲殻類」と分類されますが、表示上は別品目なので、加工食品のラベルにも「えび」「かに」と分けて書かれます。自分がどちらに(あるいは両方に)反応するのかは、検査結果をふまえて医師が判断するものです。

ハンドブックは、えびとかにが特定原材料に定められた理由として、成人期での新規発症や誤食が多いことを挙げています。

「海老」「蟹」と書かれていても対象

ハンドブックによれば、えび・かににも、同じものだと理解できる代替表記と、その言葉を含んでいて使用が分かる拡大表記が認められています。これらで書かれている場合は「(えびを含む)」などの括弧が省略されることがあります。

特定原材料代替表記拡大表記(例)
えび海老、エビえび天ぷら、サクラエビ
かに蟹、カニ上海がに、カニシューマイ、マツバガニ

一方で、表示制度が対象とする「えび」「かに」の範囲には決まりがあります。ハンドブックは、えびは十脚目のみが対象で、しゃこ類・あみ類・おきあみ類は「その他の甲殻類」に分類され、義務表示の対象外だとしています。同じ「甲殻類」でも、義務表示の対象かどうかは種類によって違うということです。名前が紛らわしい例として「あみえび」があり、ハンドブックは、俗称で判断せず日本標準商品分類の名称で対象かどうかを確認するよう求めています。加工食品のラベルの読み方全般は加工食品のアレルギー表示の読み方で、制度の基礎はアレルギー表示の基礎知識で解説しています。

えびが隠れていることがある食品と外食シーン

えびは「エビフライ」のように見て分かるメニューだけでなく、だしやエキスとして料理の裏方にも使われます。以下はハンドブックで確認できる例です。

  • えびせんべいや桜えびなど、えびを主原料にした加工品では、原材料に「えび」が表示されます。ハンドブックには、米菓のラベルに「えび、小麦、大豆」と表示された事例が出てきます。
  • だしやエキス、魚醤について、ハンドブックによれば、網で無分別に捕獲したものを使う魚醤・魚介エキスは「魚醤(魚介類)」などと表示され、この場合はえび・かにの個別表示が省かれることがあります。逆にえびが含まれると特定できるときは「魚醤(えびを含む)」のように表示されます。
  • すり身・練り物では、魚のすり身などには製造の各段階でえび・かにが混入しうるとされ、混入の頻度や量が多い場合は注意喚起表示が行われます。かに風味かまぼこの表示例には「香料(えび由来)」も登場します。
  • しらす・ちりめんじゃこや二枚貝については、しらす等は網で捕るときにえび・かにが混獲されることがあり、アサリなどの二枚貝には小さなかにが共生していることがあると記載されています。いずれも加工で完全に除去するのが難しいため、注意喚起表示の対象になり得ます。

外食では、これらが表示に出てこない場面もあります。中華やエスニック料理はえびのすり身やエキスを使うことがあり、天ぷらやフライは揚げ油を他の食材と共有します。お好み焼きやかき揚げのように、複数の具材を一緒に調理するメニューも混入が起きやすい場面です。調理器具や揚げ油の共有による意図しない混入の考え方はコンタミネーションの基礎知識にまとめています。

えび・かにの表示制度上の範囲と、えびが隠れていることがある食品をまとめた図。えびとかには義務表示の9品目に別々に入っており、えびは対象が十脚目のみで、代替表記は海老・エビ、拡大表記はえび天ぷら・サクラエビ。かにの代替表記は蟹・カニ、拡大表記は上海がに・カニシューマイ・マツバガニ。同じ「甲殻類」でも義務表示の対象外のものがあり、しゃこ類・あみ類・おきあみ類はハンドブックが「その他の甲殻類」に分類して義務表示の対象外としている。「あみえび」のような紛らわしい俗称があるため、俗称ではなく日本標準商品分類の名称で対象かどうかを確認する。えびが表示や見た目に出てこないことがある食品として消費者庁ハンドブックが挙げる例は、だし・エキス・魚醤(網で無分別に捕獲したものは「魚醤(魚介類)」と表示され、えび・かにの個別表示が省かれることがある)、すり身・練り物(製造の各段階で混入しうる。かに風味かまぼこの表示例には「香料(えび由来)」も登場する)、しらす・ちりめんじゃこや二枚貝(網で捕るときの混獲、アサリなどに共生する小さなかに。注意喚起表示の対象になり得る)。「えびだけ」「かにだけ」に反応する人もおり、表示のうえでも別の品目なので、チェーンの一覧表を見るときはえびの列とかにの列を別々に確認する。
えび・かにの表示範囲と、表示に出てこない使われ方

外食でえび・かにを避けるための実践

外食で甲殻類を避けるには、事前の情報確認と店での確認を組み合わせるのが基本です。

  1. 公開されているアレルゲン一覧で、えび・かにの列を別々に確認します。多くのチェーンがメニューごとのアレルゲン情報を公開しています。表の記号の意味はチェーンごとに違うので、アレルゲン一覧表の読み方を参考にしてください。
  2. チェーン検索で候補を探します。チェーン検索でえびなどの品目を選ぶと、資料があるチェーンには、その資料が選んだ品目に答えられるかどうか(まだ記録できていなければ、その旨)が表示されます。並び順は変わらず、資料の無いチェーンも一覧に残ります。出かける前に行き先の情報を確認しておくと安心です。
  3. だし・エキス・揚げ油の共有を店に確認します。すり身やエキス、共有された揚げ油は表示だけでは分からないことがあります。具体的な聞き方は飲食店への確認のしかたにまとめています。

本記事の数値と制度の記述は、いずれも記載時点(2026年7月)で公開されている調査・資料に基づくものです。症状の重さや避けるべき範囲は人によって異なります。食べてよいものは必ず主治医と相談のうえで決め、外食時は最終的にお店への確認を併用してください。

参考資料

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。掲載内容の正確性には努めていますが、制度や各社の公開情報は変更されることがあります。飲食の前には必ず店舗・運営会社の最新の公式情報をご確認ください。

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