主要外食チェーンのアレルゲン情報開示状況まとめ【2026年9月版】

公開日: 2026-07-22 ・ 最終更新日: 2026-09-30

データで見る外食の開示

外食のメニューには、加工食品のようなアレルゲン表示の法的義務がありません。それでも多くのチェーンが、自主的な取り組みとしてメニューごとのアレルゲン情報を公開しています。制度上の背景は外食にアレルギー表示義務がない理由を解説した記事で詳しく紹介していますが、では実際に、どのくらいのチェーンが・どんな形で公開しているのでしょうか。

以下は、AllergySearch が2026年9月時点で行った主要チェーンの調査から見た、日本の外食チェーンにおけるアレルゲン情報開示の全体像です。

調査した927チェーンのうち467チェーンで公式開示を確認

当サイトでは、食べログのチェーン索引でおおむね店舗数の多い順に927チェーンを調査しました。現在は20店舗前後の中規模チェーンまで含みますが、店舗数の多いチェーンから選んでいることに変わりはなく、日本の外食チェーン全体(同じ索引で7,514チェーン)を代表する標本ではありません。その結果は次のとおりです。

  • 467チェーン(50%)で、公式サイト上のアレルゲン情報の公開を確認できました。
  • 452チェーン(49%)は、実際にサイトを確認したうえで、Web上での開示が見つかりませんでした。
  • 残る8チェーンは、サイトにアクセスできないなどの理由で判定を保留しています。当サイトでは「見られなかった」を「公開していない」とは数えません。

公開している割合は、チェーンの規模で大きく変わります。店舗数の多い大手ほど公開している割合が高く、調査を中規模のチェーンへ広げるほど割合は下がります。「大手では標準に近い取り組みだが、規模が下がると公開していない会社のほうが多くなる」というのが、調査から見える現状です。また、公開している会社の間でも、開示の形式や範囲は会社ごとに大きく異なります。

前の版(2026年8月31日時点)では、672チェーン中387チェーン(58%)で公開を確認していました。割合が下がったのは、各社が公開をやめたからではありません。8月に調べた672チェーンの公開の有無の判定は今回1件も変わっておらず、差はすべて、その後に調査を広げた255チェーンの分です。新たに加えたのは店舗数がより少ないチェーンで、そこでは公開している割合が低いためです。この割合は調べた範囲によって動く数字なので、前の版と比べるときは注意してください。

なお「開示あり」の中身も一様ではありません。467チェーンのうち、対象品目まで含めて広く公開しているのが284チェーン、範囲が限られるものが23チェーン、義務表示の品目だけを掲載しているものが92チェーンです。

残る68チェーンは、公開はしているものの、その資料が何品目について答えているのかを資料自身が書いておらず、読んでも確定できなかったものです。この区分は2026年8月に分けました。それまでは「範囲が限られる」に混ぜていましたが、この2つは読者にとって意味が違います——前者は「ここまでしか載っていない」と分かっている状態で、後者はどこまで載っているのかが分からない状態です。表に出ていない品目を「使っていない」と読めないのは同じですが、後者では「表に出ている品目についても、それが全部かどうか分からない」ことになります。

この記事の2026年7月の版には、4つ目の区分がありました。「コンビニ・スーパー・ホテルなどは業態の性質上メニュー単位の開示がなじまない」として、99チェーンを公式サイトへのリンクのみの管理としていたものです。この区分は取りやめました。 実際にサイトを開いて確かめたところ、セブン-イレブン・イオン・無印良品・ホテルルートインはいずれも(メニューではなく自社商品についてですが)アレルゲン情報を公開しており、開示の有無を見ずに業態だけで対象外にしていたことが分かったためです。99チェーンは上の2つの区分に振り分け直しました。「見つからず」が7月の版の190チェーンから8月の版で282チェーンに増えたのは、主にこの振り直しによるものです。

2026年9月27日時点で調査した927チェーンの内訳を示す帯グラフと、開示している467チェーンの公開形式別の件数を示す棒グラフ。内訳は、実際にサイトを見て公開を確認できたものが467チェーン(50%)、実際にサイトを見て見つからなかったものが452チェーン(49%)、残る8チェーンはサイトにアクセスできず判定を保留。「見られなかった」を「公開していない」とは数えない。公開形式の内訳は、PDF・Excel の一覧表が260チェーン(うち52は複数ファイルに分散)、Webページの一覧表が130チェーン、商品検索型ページが49チェーン、店舗別・地域別に分かれる形が18チェーン、免責同意を挟む形が10チェーン。下の2つは件数こそ少ないが探しにくさが際立ち、店舗別に分かれる形では店舗を選び違えると別の店の情報を読むことになり、同意を挟む形では同意する前は表そのものが出ない。
調査927チェーンの開示状況と、開示している467チェーンの公開形式

開示形式は5つに分かれ、PDF が最多

開示を確認できた467チェーンを、公開の「主な入口」の形で分類すると次のようになります。

形式件数どういうものか例
PDF・Excel の一覧表260全メニューをまとめたファイルをダウンロードして確認するすき家、吉野家、CoCo壱番屋、ミスタードーナツ
Webページの一覧表130ページ上でメニュー×アレルゲンの表をそのまま閲覧できるマクドナルド、松屋、リンガーハット
商品検索型ページ49商品名やアレルゲン条件を指定して絞り込み検索できるすかいらーく(ガスト等)、スターバックス、ドトール、コメダ珈琲店
店舗別・地域別に分かれる形18店舗や都道府県ごとに別々のページ・ファイルになっている牛角、大戸屋、やよい軒
免責同意を挟む形10免責事項に同意してから閲覧する—

PDF・Excel の一覧表が最多で、開示チェーンの56%を占めます。牛丼・カレー・ドーナツなど幅広い業態で使われており、「YYYY年MM月DD日現在」のように基準日が明記されていることが多い(資料の版日付の実測)反面、スマートフォンでは表が小さく読みにくいことがあります。なおこの260チェーンのうち52チェーンは1つのファイルにまとまっておらず、地域別・業態別・期間限定メニュー別に複数のファイルへ分かれています。この場合、探しているメニューが載っているファイルに行き着けているかを確かめる必要があります。

Webページの一覧表は、スマートフォンでもすぐ開けて全体を見渡せるのが利点です。マクドナルドや松屋はページ上の表で全メニューの含有状況を確認でき、リンガーハットは栄養成分と一体の一覧表を公開しています。

商品検索型ページは、「卵と乳を含まないメニューだけ表示する」といった絞り込みができるのが強みです。すかいらーくグループやドトールのようにブランド横断で検索できるサイトを持つ会社もあり、スターバックスのようにミルクの種類変更などカスタマイズまで考慮して調べられる例もあります。

残る2つは件数こそ少ないものの、探しにくさが際立つ形です。店舗別・地域別に分かれる形では、自分が行く店舗のページを選び違えると別の店の情報を読むことになります。免責同意を挟む形では、同意する前は表そのものが表示されません。

表の「例」は当サイトの各チェーンのページへのリンクで、そのチェーンの資料の場所・対象品目・当サイトが確認した日付はページの側に載せています。個社の内容はページの側で更新されるため、ここでは形式の分類だけを述べています。

なお、複数の形式を併用している会社も多く(Web一覧表とPDFの両方を出す、検索型と一覧表を併設するなど)、この分類は「主な入口」の目安と考えてください。

業態によって開示率は大きく変わる

ハンバーガー・牛丼などのファストフードやファミリーレストラン、回転寿司、カフェといった大手チェーン業態では、アレルゲン開示はほぼ標準になっています。セントラルキッチンと食材規格書で情報がもともと整理されていることが、公開のしやすさにつながっています。

一方、焼肉・居酒屋・お好み焼きなどの専門業態では開示率が下がります。これは各社の姿勢の問題というより、業態上の事情が大きいと考えられます。

  • 揚げ油や調理器具を全メニューで共有しており、微量混入(コンタミネーション)を前提とした営業形態である
  • 客席で調理する業態では、卓上調味料や焼き台の共有まで店側が管理しきれない
  • メニューの改廃が早く、正確な一覧表を維持し続けるのが難しい

つまり「開示がない=アレルギーに不誠実」とは限りません。Webでは公開していなくても、店頭での確認や電話での問い合わせに応じてくれるお店は少なくないので、お店への確認のしかたをまとめた記事も参考にしてください。また、コンビニやスーパーのように商品(加工食品)単位でアレルゲン表示が行われる業態では、公開されているのは店で出る食事ではなく棚に並ぶ商品についての情報です。読み方が違うので、外食チェーンと同じ土俵で開示率を比べることはできません。ただし「業態が違うから対象外」と決めつけるのも誤りで、当サイトは各社のサイトを実際に開いて、公開されているものがあれば何についての情報かが分かる形で案内しています。

対象品目数と更新頻度は会社ごとに差がある

同じ「開示あり」でも、その中身には幅があります。

  • 対象品目数は、義務表示の品目のみを掲載する会社から、推奨品目まで含めて掲載する会社までさまざまです。2026年4月の制度改正(カシューナッツの義務化・ピスタチオの推奨追加で計29品目に)への切り替えは各社で進行中のため、当面は28品目版と29品目版の表が混在します。表の対象に入っていない品目は「使っていない」ではなく「情報がない」と読むのが安全です。
  • 更新頻度にも差があり、新商品の発売日に合わせて更新する会社もあれば、数か月ごとにまとめて改訂する会社もあります。多くの一覧表には「〜年〜月〜日現在」と基準日が書かれているので、閲覧時は必ず確認しましょう。

一覧表の記号(●・○・△など)の意味も会社ごとに異なり、それぞれの表の脚注に説明があります。「製造ラインの共有」のような注記の考え方はコンタミネーション(微量混入)の解説記事も参考にしてください。

AllergySearch でチェーン横断で調べる

こうした「形式も場所も会社ごとにバラバラ」な情報を一か所から確認できるようにするのが AllergySearch です。

  • 掲載中のチェーンの詳細ページでは、開示状況と、確認できた公式のアレルゲン情報ページへのリンクを案内しています。開示が見つからなかった場合は、調べた範囲と、確認できた問い合わせ先などを掲載しています。
  • そのうち83チェーン(この数だけ2026年9月30日時点)については、メニュー別のアレルゲン一覧を当サイト上でも確認できます。含有状況は5段階の区分に整理して表示しており、見方は含有区分の解説記事をご覧ください。

表を当サイトに載せているのが83チェーンにとどまるのは、取得できなかったからではなく意図的な線引きです。転載した表は元の資料が変わるたびに追随しなければ意味がなく、追随しきれない表を同じ体裁で並べておくほうが危険だと判断しました。追随できる範囲を店舗数の多いチェーンに絞り、それ以外は公式へのリンクと開示状況の維持に力を割いています。

気になるチェーンがあれば、まずはお店の検索ページから探してみてください。

この記事の更新について

各社の開示状況・形式・URL は予告なく変わるため、この記事は当サイトの調査にあわせて定期的に更新していきます(本記事の集計は2026年9月27日時点、例示は2026年7月時点の確認内容です)。また、当サイトや各社の一覧表はあくまで目安であり、原材料や調理環境は変わることがあります。実際に食事をする際は、来店前に公式サイトの最新情報を確認し、注文時にも店舗スタッフへ伝えるようにしてください。

参考資料

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。掲載内容の正確性には努めていますが、制度や各社の公開情報は変更されることがあります。飲食の前には必ず店舗・運営会社の最新の公式情報をご確認ください。

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