カシューナッツが義務表示に — 2026年4月改正で変わったこと
公開日: 2026-07-22
2026年4月1日、食品表示基準が改正され、カシューナッツが「特定原材料に準ずるもの(推奨表示)」から「特定原材料(義務表示)」に移行しました。カシューナッツアレルギーのある方にとっては、容器包装された加工食品に含まれていれば必ず表示される時代がようやく始まったことになります。ただし経過措置があるため、店頭の表示がすぐに切り替わるわけではありません。この記事では、改正の内容と当事者が押さえておきたい実務的なポイントを、消費者庁の公表資料に沿って整理します。
改正で何が変わったのか
今回の改正のポイントは2つです。
- カシューナッツが推奨表示から義務表示(特定原材料)へ移行し、義務表示は9品目になりました。
- ピスタチオが推奨表示(特定原材料に準ずるもの)に新規追加され、対象品目は合計29品目になりました。
| 区分 | 改正前(〜2026年3月) | 改正後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 特定原材料(義務表示) | 8品目: 卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、くるみ | 9品目: 左記 + カシューナッツ |
| 特定原材料に準ずるもの(推奨表示) | 20品目(カシューナッツを含む) | 20品目(カシューナッツが抜け、ピスタチオが追加) |
| 合計 | 28品目 | 29品目 |
義務表示は法令(食品表示基準)に基づくため、対象の加工食品に含まれていれば必ず表示されます。一方、ピスタチオを含む推奨表示は任意なので、表示がなくても含まれていないとは限らない点はこれまでどおりです。なお消費者庁の通知では、カシューナッツとピスタチオの交差反応性を踏まえ、事業者にピスタチオも可能な限り速やかに表示するよう求めています。
経過措置: 2028年3月末までは旧表示が店頭に残る
改正府令の附則により、2028年(令和10年)3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品は、改正前の基準による表示(カシューナッツの表示が義務でない表示)のままでよいとされています。つまりこの日までに作られた商品は、その後も賞味期限内は店頭に並び続けます。
当事者にとっての実務的な意味はシンプルです。
- 2028年3月末までの移行期間中は、「カシューナッツの表示がない=入っていない」とはまだ言い切れません。
- 特に賞味期限の長い菓子・レトルト・缶詰などは、旧基準で表示された在庫が長く流通し得ます。
- 不安な商品は、これまでどおり原材料表示全体を確認するか、製造者に問い合わせるのが安全側の行動です。
消費者庁は事業者に対し、経過措置を待たず可能な限り速やかに表示するよう周知しており、切り替えは今後2年をかけて順次進んでいきます。
背景: 増える木の実類アレルギーと、くるみからの流れ
今回の義務化は、消費者庁が定期的に実施している全国実態調査(食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究)でカシューナッツの症例数が相当数確認されたことを踏まえたものです。令和5年(2023年)の即時型食物アレルギー全国モニタリング調査では、木の実類が原因食物全体の約4分の1を占めており、なかでもくるみ、カシューナッツの症例が多くなっています。
木の実類では、先行してくるみが2023年3月の改正で義務表示となりました(経過措置は2025年3月31日で終了)。今回のカシューナッツはこれに続く2例目で、症例の増加した品目を実態調査に基づいて順次義務化していく流れの中にあります。消費者庁は今後も疫学調査を定期的に実施し、対象品目の見直しを続けるとしています。
外食はもともと表示義務の対象外
注意したいのは、この改正が適用されるのは容器包装された加工食品であり、レストランなどの外食は今回の改正後も表示義務の対象外だという点です。詳しくは外食にアレルギー表示義務がない理由で解説しています。
ただし、チェーン各社が自主的に公開しているアレルゲン一覧表は、義務表示の品目構成に合わせて作られることが多いため、今後カシューナッツ(およびピスタチオ)を掲載する表への切り替えが順次進むと見込まれます。移行期間中は、28品目時代の表と29品目対応の表が混在するため、一覧表がいつ時点・何品目の基準で作られたかを確認する習慣が役立ちます。当サイトでもカシューナッツを条件にしたメニュー検索ができます。
当事者がいまやっておきたいこと
- 加工食品: 2028年3月末までは旧表示の商品が混在します。カシューナッツの表示の有無だけで判断せず、原材料表示全体の確認と、必要に応じた製造者への問い合わせを続けましょう。
- 外食: 従来どおり各社のアレルゲン一覧表を確認し、注文時に店頭でも確認するのが基本です。一覧表の更新日にも目を向けてみてください。
- ピスタチオにアレルギーのある方: 推奨表示のため、表示がなくても含まれる可能性があります。判断に迷う場合の対応は、必ず主治医にご相談ください。
制度全体の仕組みは食物アレルギー表示制度の基礎知識でも解説しています。
参考資料
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。掲載内容の正確性には努めていますが、制度や各社の公開情報は変更されることがあります。飲食の前には必ず店舗・運営会社の最新の公式情報をご確認ください。